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山岡酒店の日記やお知らせ、売り物のお酒をご案内しています。 飲むこと食べることをこよなく愛する私と料理と素材に精魂込める母と商品知識は今ひとつながら愛想はいい父親の三人の店です。
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ここ最近、地ビールがブームだと言われています。
 再び地ビールが雑誌やテレビなどで特によく紹介されることになって、さぞや地ビールがたくさん売れているだろうと言われることも増えました。週刊ダイヤモンドの記事でも、売り上げが伸びている会社が紹介されています。


 「国税庁によると、2006年に1万4137キロリットルだった販売量が、10年には1万6067キロリットルまで増加。最大手のヤッホーブルーイングは今年6月から8月中旬までの売上高が前期比60%増、業界最古参のサンクトガーレンも前期決算が35%の売り上げ増となっている。」(http://diamond.jp/articles/-/41063  (週刊ダイヤモンド))

 なかなかすごいように思えますが、実のところ案外控えめなもんだよというのが私の実感だったりします。


 たとえば、地ビールの販売量は全体でみるとどのくらいなのか。
 第三のビールはビールじゃないとか、節税発泡酒がどうのこうのという話はややこしいので、ここはひとまず第三のビールも発泡酒もビール類とみなしますと、年々減ってはいるものの、全体で550万キロリットル弱販売されています。
 他方、地ビールはと言いますと、上の記事の国税庁の発表の数字は漏れもあったりして正確にはもうちょっと多いのですが、販売の伸びを考えても昨年あたりで、2万キロリットルくらいです。

 地ビール200社が束になって、やっと全体の0.4%に足りないくらいなわけです。

 ちなみに、沖縄のオリオンのシェアは0.9%ですから、その半分にもたりません。
 他のお酒に目を向けますと、2万キロリットルだと、だいたい清酒メーカーの黄桜が造る日本酒がそのくらいのようです。なんとなく実感してもらえるでしょうか。

 海外では、それこそ地ビールのシェアが10%以上になっている地域もあり、世界的な地ビール・クラフトビールブームと言われていますが、日本だとまだまだ遠い数字です。



 では販売量の伸びは?  
 ビール類全体の販売量は、ここ20年近くにわたって減少傾向のままです。そんな中で地ビールの販売量が伸びてるなんてすごいことなんですが、実はここ数年でいえば、イオンが韓国のメーカーに製造委託してる第三のビールや麦芽100%のビールなどのシリーズは、地ビールなどものともしない伸びを見せています。直近の数字だと、だいたいビール類全体の1%近いの売れ行きで、すでに地ビールの倍以上。
 でも、あんまり話題になっていませんね。


 ブームというのは、もちろん以前よりも盛り上がっているからブームのはずなんですが、必ずしも実態を反映してるわけではありません。
 今の地ビールブームは、ようやくその品質や多様性や、イベントの面白さに注目されだした状況ではないでしょうか。まだまだ地ビール全体の販売量やらがそれに追いついてる状況ではないと思います。とはいえ、今まで以上に広める良い機会なのは間違いないと思います。
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ここ何年も、一年間がとても長く感じられますが、今年はとりわけ長かったように思います。

三条会商店街で地ビールイベントが二年続けて開催できただけでなく、ゼスト御池でも春と秋の二回にわたり地ビールイベントが開催されてしまいました。まるで地ビールが大いに盛り上がっている町のようですが、京都市内の地ビール会社3社が初めて集ったイベントは2011年1月、2年足らず前のこと。それがもう何年も前のことのようです。

こんな急展開になったのも、なにかにつけて助けてくださった皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。

新年も、山岡酒店をよろしくお願いします。
日本伝統の自家醸造の酒であったどぶろくは、西南戦争、日清戦争のための酒税強化にともなって禁止されました。

明治に始まった各地のビール造りは、日露戦争の増税で消滅しました。

昭和初期に意欲的な中規模蔵が取り組んでいた吟醸酒は、第二次世界大戦で贅沢であるとして事実上禁止されました。



何年か前、こんなことを年賀状に書きました。年賀状にしては殺伐としてますかね。

明治以降、日本の歴史は戦争の繰り返しでしたが、戦争のたびに税金が酒税が厳しくなり、そして酒が消えました。ビールや吟醸酒のような新しい酒もあれば、どぶろくのように伝統的な酒もありますが、一度消えると何十年と復活できません。
地ビールは90年代にようやく、どぶろくも2000年代になって特区で復活しました。いずれも80年、100年と掛かっています。

もし今、戦争が行われたら、やはり取りやすい税金である酒税は強化されるでしょう。そのとき、いずれかの酒が消されるかもしれません。
私はそれをとても危惧しています。たぶん、その消される酒が、私がとてもお世話になってきた、地ビールであったり、地酒であったりするのではと心配してるからです。



戦争というのは、外交上やむにやまれず行われることもありますが、ときには内政の失敗をごまかすために行われることもあります。
今、戦争をあおるような政治家がいます。内政の失敗で、戦争をあおってるのではないのか、外交努力を放棄しているのではないのか。
わたしはそれを心配します。晩酌を多い目にいただいて、こんなことを書かずにおれなくなりました。


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